南国の楽園、沖縄本島からさらに南に位置する石垣島と宮古島。
どちらも透明度抜群の海と白い砂浜、豊かな自然に恵まれた人気の離島ですが、子連れ旅行となると「どちらが過ごしやすいのかな?」「子どもの年齢によって違いはある?」と悩んでしまう方も多いはず。
私も家族で両方の島を訪れた経験から、「橋でつながる島々を気軽に巡れる宮古島」と「多彩な離島体験が楽しめる石垣島」には、それぞれ異なる魅力があることを実感しました。
この記事では、移動のしやすさや子連れに優しいビーチ、雨の日の過ごし方、そして年齢別のおすすめポイントまで、石垣島と宮古島をわかりやすく比較します。ご家族にぴったりの島を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
はじめに:石垣島と宮古島の基本情報
沖縄本島より南に位置する石垣島と宮古島は、どちらも美しい海と豊かな自然に恵まれた南国の楽園です。
それぞれに異なる魅力があるため、まずは両島の基本情報を見ていきましょう。
石垣島の基本情報
位置:沖縄本島から南西へ約400km(台湾に近い場所にあります)
面積:約223km²(宮古島よりも広い)
特徴:島の中央には、標高526mの於茂登岳(おもとだけ)がそびえ、自然が豊か
気候:亜熱帯海洋性気候(年間平均気温 約24℃)
アクセス:東京から直行便で約3時間、那覇から飛行機で約1時間
周辺の離島:竹富島、西表島、小浜島、波照間島など(フェリーでアクセス可能)
宮古島の基本情報
位置:沖縄本島から南西へ約300km(石垣島よりも沖縄本島に近い)
面積:約159km²
特徴:平坦な地形で山がなく、「宮古ブルー」と呼ばれる透明度の高い海が有名
気候:亜熱帯海洋性気候(年間平均気温 約24℃、石垣島よりやや湿度が低い傾向)
アクセス:東京から直行便で約2時間45分、那覇から飛行機で約50分
周辺の離島:伊良部島、池間島、来間島など(いずれも橋で繋がっており、車で移動可能)
2025年現在、両島へは主要空港から直行便が運航されており、航空運賃に大きな差はありません。LCCの就航も増えたことで、以前よりもアクセスしやすくなっています。
石垣島と宮古島の移動事情の違い
子連れ旅行における石垣島と宮古島の違いについて、移動のしやすさの観点から比較してみました。
石垣島の移動事情
石垣島内は幹線道路が整備されており、レンタカーでの移動がとても便利です。空港から市街地までは車で約20〜25分、主要な観光地にもスムーズにアクセスできます。
石垣島の大きな魅力の一つは、竹富島や西表島など周辺の離島観光が楽しめる点です。ただし、これらの離島へはフェリーでの移動が必要となり、船の揺れや乗り降りの手間、移動時間(15分〜1時間程度)を考慮する必要があります。特に赤ちゃんや小さなお子さん連れの場合、この移動がストレスになることもあります。
一方、各離島内ではバスやタクシーなどの交通手段もあり、運転免許がない場合でも観光が楽しめるのは安心材料です。
宮古島の移動事情
宮古島の最大の特徴は、周辺の離島へ橋でアクセスできる点です。なかでも伊良部大橋(全長3,540m)は、日本で最長の無料橋として知られており、車で伊良部島まで渡ることができます。池間島や来間島へも橋がかかっており、船を使わずに気軽に島巡りができます。
これは子連れ旅行において大きなメリットで、天候に左右されにくく、自分たちのペースで観光できるのが魅力です。ただし、宮古島は公共交通機関が少ないため、レンタカーの利用は必須と考えておくのがよいでしょう。特に市街地から離れたリゾートホテルに宿泊する場合は、レンタカーがあると快適に過ごせます。
移動のしやすさのまとめ
小さなお子さんを連れて旅行する場合、船に乗らずに移動できる宮古島の方がストレスが少なく、全体的な移動のしやすさでは宮古島に軍配が上がります。
一方で、多彩な離島体験を楽しみたい場合や、お子さんが船旅を楽しめる年齢であれば、石垣島もまた魅力的な選択肢となるでしょう。旅のスタイルやお子さんの年齢に応じて、最適な島を選んでみてください。
子連れにおすすめのビーチ
美しいビーチは石垣島と宮古島どちらにも共通する大きな魅力ですが、子連れ旅行ではビーチの安全性や設備の充実度も大切なポイントです。
ここでは、それぞれの島で子ども連れにおすすめのビーチを紹介します。
石垣島のおすすめビーチ
米原ビーチ
石垣島を代表する美しいビーチ。遠浅の海が広がっており、小さなお子さんでも安心して水遊びができます。サンゴ礁やカラフルな熱帯魚も見られ、親子で楽しめる人気スポットです。
川平湾(かびらわん)
「日本の渚百選」にも選ばれた絶景ポイント。グラスボート体験を通じて、海に入らなくても海中の美しさを楽しめます。水が苦手なお子さんにもぴったりです。
底地ビーチ(すくじびーち)
シャワーやトイレなどの設備が整っており、子連れでも快適に過ごせます。浅瀬が広がっていて、小さな子どもでも安心して遊べます。近くには休憩できる場所もあり、ファミリー向けのビーチです。
宮古島のおすすめビーチ
与那覇前浜ビーチ
“東洋一の美しさ”とも称される、全長7kmにも及ぶ白砂のビーチ。遠浅で波も穏やかなため、小さなお子さんでも安心して水遊びができます。広々とした砂浜は、砂遊びにも最適です。
渡口の浜(とぐちのはま)
観光客が比較的少なく、ゆったりとした時間を過ごせる穴場ビーチ。波も穏やかで、海に慣れる練習にもぴったり。近くにカフェがあり、トイレやシャワーも利用できるのが嬉しいポイントです。
新城海岸(あらぐすくかいがん)
子どもが初めてシュノーケリングに挑戦するのにおすすめのビーチ。浅瀬でもカラフルな魚やサンゴが観察できます。レンタル用品やパラソルも充実していて、ファミリーに便利です。
ビーチ比較のまとめ
石垣島・宮古島ともに子連れで楽しめるビーチが揃っていますが、宮古島は「宮古ブルー」と呼ばれる透明度の高い海と、サンゴ由来のきめ細かい白砂が特徴です。
さらに、宮古島には川がほとんどないため、雨が降っても海が濁りにくいというメリットがあります。子どもの海デビューや砂遊びを重視するなら、宮古島のビーチがやや優位といえるでしょう。
子ども向けアクティビティの充実度
楽しい思い出作りに欠かせないのが、お子さんが夢中になれるアクティビティ。ここでは、石垣島と宮古島で体験できる子ども向けのアクティビティを比較してみましょう。
石垣島の子ども向けアクティビティ
グラスボート体験(川平湾)
船底がガラス張りになっており、ぬれずに美しいサンゴ礁や熱帯魚を観察できます。小さなお子さんや水が苦手な子にも人気の体験です。
鍾乳洞探検(石垣島鍾乳洞)
神秘的な鍾乳洞の中を探検する体験は、冒険心をくすぐる幻想的なひととき。自然の造形美に子どもの想像力も広がります。
竹富島の水牛車観光
フェリーで約15分の竹富島では、水牛車に乗って赤瓦の集落をのんびり観光。子どもにとって日本の伝統文化に触れる貴重な体験となります。
星空観察
石垣島は「星空保護区」に認定されており、夜空には満天の星が広がります。親子で星座を探す時間は、忘れられない思い出になります。
マングローブカヤック(西表島)少し大きなお子さんには、西表島でのマングローブカヤックもおすすめ。豊かな亜熱帯の自然に包まれ、探検気分を味わえます。
宮古島の子ども向けアクティビティ
ウミガメシュノーケリング
ビーチでのシュノーケリング中に、ウミガメと出会えることも。子どもたちに大人気の体験です(ただし自然相手なので出会えない場合もあります)。
シギラリゾートのラグーンプール
ウミガメが飼育されているプールでは、安全に間近で観察できます。天候に左右されにくいのも、子連れにはうれしいポイント。
シーカヤック体験
透明度の高い海でのシーカヤックは、親子で一緒に楽しめるアクティビティ。静かな海面を進む体験は特別な時間になります。
パンプキン鍾乳洞探検
自然が作り出した不思議な形の鍾乳洞「パンプキンホール」。探検気分で楽しめるため、子どもの冒険心を刺激します。
宮古島海中公園
ガラス越しに海中の様子を観察できる施設。触れ合いコーナーでは、海の生き物と実際に触れ合える体験もできます。
アクティビティ比較のまとめ
石垣島は周辺の離島も含めると体験の幅が非常に広がりますが、小さなお子さん連れの場合は移動の負担を考慮する必要があります。一方、宮古島は島内でコンパクトに多様な体験ができるのが魅力です。
小さな子どもや海のアクティビティを中心に楽しみたいなら宮古島、より冒険的で自然体験を重視したいなら石垣島がおすすめです。
雨の日の過ごし方による比較
南国のリゾート地であっても、雨の日は避けられないもの。特に子ども連れの旅行では、雨天時の過ごし方もあらかじめ考えておくことが大切です。ここでは、石垣島と宮古島でおすすめの「雨の日スポット」をご紹介します。
石垣島の雨の日スポット
石垣島鍾乳洞
屋内施設のため、雨天でも安心して楽しめます。神秘的な鍾乳石が広がる幻想的な空間は、子どもたちの探検心をくすぐります。
八重山博物館
石垣島の歴史や文化を学べる博物館です。子ども向けの展示や体験コーナーもあり、親子で楽しく学べるスポットです。
ユーグレナモール
島の中心部にあるアーケード商店街で、お土産店や飲食店が充実。雨を気にせずショッピングやグルメを楽しめます。
石垣市立図書館
絵本や児童書のコーナーも充実しており、静かにゆったりとした時間を過ごすのにぴったりです。
市街地のカフェやショッピングスポット
石垣島は市街地が発展しているため、雨の日でも過ごしやすい屋内の施設や店舗が豊富にそろっています。
宮古島の雨の日スポット
宮古島海中公園
海の中の景色を屋内から楽しめる施設。さまざまな海の生き物を観察でき、タッチプールなど体験型の展示もあり、子どもたちに人気です。
上野ドイツ文化村
宮古島とドイツとの不思議な歴史的つながりから誕生した文化施設。屋内展示やお土産ショップがあり、雨の日でものんびり過ごせます。
シギラリゾートの室内施設
宮古島最大級のリゾートエリアには、天候に左右されず楽しめるレストランやショッピング施設が充実しています。
雨天後も楽しめる宮古島の海
宮古島には大きな河川がほとんどないため、雨が降っても海が濁りにくい傾向があります。小雨程度なら、晴れ間を見て海水浴を楽しめる可能性も高く、雨上がり後の予定調整もしやすいのが特徴です。
雨の日比較のまとめ
石垣島は市街地が発達しているため、屋内施設や商業施設の選択肢が多く、雨の日にも安心して過ごせます。一方、宮古島は川が少ないため、雨が降った後も海の透明度が保たれやすく、天候が回復すればすぐにマリンアクティビティを再開できるメリットがあります。
雨天時の選択肢が多いのは石垣島ですが、滞在日数が長ければ宮古島でも天気に合わせて柔軟にプランを調整できるため、両者に大きな差はないと言えるでしょう。
子どもの年齢別おすすめの島
お子さんの年齢によって、快適に過ごせる島は異なります。年齢別におすすめの島をご紹介します。
乳幼児(0〜2歳)連れならこちら!
おすすめ:宮古島
乳幼児連れの旅行で最も重要なのは、移動の負担を減らし、快適な滞在環境を整えることです。
宮古島は周辺の離島と橋でつながっているため、フェリーに乗る必要がなく、レンタカーで手軽に島巡りができます。赤ちゃんと一緒だと、船の揺れや乗り降りが不安な要素になりますが、この点で宮古島は安心です。
また、宮古島のビーチはサンゴ由来のきめ細かい白砂が多く、柔らかい感触で赤ちゃんの砂遊びにもぴったり。穏やかで浅瀬の広がるビーチも多いため、赤ちゃんを抱っこして海水に触れる程度の遊びにも最適です。
宮古島には新しいリゾートホテルも多く、ベビーベッドやおむつ用ゴミ箱などの設備が整っている施設が充実。特にシギラリゾートエリアは、ホテル内や周辺でゆっくり過ごせるため、乳幼児連れには便利な環境です。
幼児(3〜6歳)連れならこちら!
おすすめ:宮古島
好奇心がどんどん育つこの時期のお子さんには、安心して遊べる自然環境が理想的です。
宮古島は複数の島と橋でつながっており、「今から別の島に行こう!」といった声がけで、お子さんにワクワク感を与えながら負担の少ない移動ができます。特に伊良部大橋は日本最長の無料橋で、渡る体験そのものが旅の思い出になるでしょう。
この年代は、海や砂遊びが大好きな時期。宮古島の遠浅で透明度の高いビーチは、初めての海水浴や浅瀬でのシュノーケリング体験にもぴったりです。渡口の浜や新城(あらぐすく)海岸など、設備が整っていて波が穏やかなビーチが多いのも安心です。
さらに、宮古島には子連れにやさしいカフェやレストランも増えており、地元の新鮮な食材を使った料理を親子でゆっくり楽しめます。
小学生以上ならこちら!
おすすめ:石垣島
冒険心と好奇心が一層広がる小学生以上のお子さんには、多彩な体験ができる石垣島がおすすめです。
石垣島の周辺には、竹富島・西表島・波照間島など個性豊かな離島が点在しており、それぞれ異なる魅力があります。竹富島では水牛車と赤瓦の集落、西表島ではマングローブのカヤックやジャングルトレッキング、波照間島では日本最南端の景色といった、フェリーを使った島巡りも、子どもにとってはワクワクする冒険です。
また、石垣島には山や川もあり、宮古島では味わえない陸の自然が魅力です。於茂登岳(おもとだけ)のトレッキングや川遊びなど、体を動かして楽しむアクティビティも充実しています。
さらに、八重山諸島ならではの歴史や文化に触れられる博物館や伝統工芸の体験など、学びの要素も豊富。知的好奇心が育つ小学生にとって、刺激的で実りある旅になるでしょう。
石垣島は「星空保護区」にも認定されており、満天の星空を観察できるスポットも多数。科学への興味を育む、忘れられない体験になるはずです。
石垣島と宮古島、それぞれに向いている家族のタイプとは?
それぞれの島の特徴をふまえて、どんな家族にどちらの島が合っているのかを簡潔にご紹介します。
石垣島がおすすめの家族
アクティブに冒険を楽しみたい家族
石垣島周辺には個性豊かな離島が点在しており、フェリーで巡りながら文化や自然を体験できます。アクティブな旅が好きなご家族にぴったりです。
自然科学や歴史・文化に興味のある家族
山や川、マングローブ林など多様な自然環境に加え、八重山諸島ならではの文化や歴史に触れられる機会が豊富です。
小学生以上のお子さんがいる家族
船での移動やアクティビティをしっかり楽しめる年齢のお子さんがいると、旅の幅が広がります。
ショッピングやグルメを重視する家族
石垣市街地は飲食店やお土産店が充実しているため、リゾートだけでなく街歩きも楽しめます。
冬の旅行を計画している家族
石垣島は北風の影響を受けにくい地形のため、冬でも比較的穏やかな気候で快適に過ごせます。
宮古島がおすすめの家族
乳幼児や小さなお子さんを連れた家族
橋でつながった島々を車で移動できるため、フェリーを使わずに観光でき、小さなお子さん連れにも安心です。
美しい海とビーチを満喫したい家族
「宮古ブルー」と称される透明度の高い海と白砂のビーチを、のんびりと楽しみたい方に最適です。
リゾートステイでゆったり過ごしたい家族
高級リゾートホテルが充実しており、滞在そのものを楽しむスタイルの旅行に向いています。
ドライブ旅行が好きな家族
伊良部大橋や池間大橋、海中道路など、ドライブしながら絶景を楽しめるコースが多数あります。
夏に海水浴を楽しみたい家族
宮古島には川がないため、雨が降っても海が濁りにくく、きれいな海を楽しめる可能性が高いのも大きな魅力です。
まとめ:あなたの家族にぴったりの島はどっち?
石垣島と宮古島、どちらを選ぶべきか迷った方のために、ここで簡潔におすすめポイントをまとめます。
乳幼児(0〜2歳)のいるご家族には、フェリー移動が不要で橋でつながった島々を巡れる宮古島が最適です。きめ細かい白砂と遠浅のビーチは小さなお子さんの海デビューにぴったり。
幼児期(3〜6歳)のお子さんにも宮古島がおすすめ。橋を渡って島巡りする体験は子どもにとってワクワクする冒険になります。特に伊良部大橋を渡る体験は格別でしょう。
小学生以上のお子さんには石垣島の多彩な魅力がぴったり。フェリーでの島巡りも楽しい冒険となり、竹富島の水牛車や西表島のマングローブカヤックなど、多様な体験ができます。
以下のような家族におすすめの島を簡単にまとめました。
石垣島がおすすめの家族
- アクティブに冒険を楽しみたい家族
- 自然科学や歴史・文化に興味のある家族
- 小学生以上のお子さんがいる家族
- ショッピングやグルメを重視する家族
宮古島がおすすめの家族
- 乳幼児や小さなお子さんを連れた家族
- 美しい海とビーチを満喫したい家族
- リゾートステイでゆったり過ごしたい家族
- ドライブ旅行が好きな家族
どちらの島も魅力にあふれていますので、ご家族の状況に合わせて選んでみてください。最高の家族旅行になりますように!